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2023/06/19

カウンセラーは資格だけでは出来ません

久しぶりに憤りを感じる出来事がありました。
とある地方の小学校で、高学年クラスを担当していた20代の教師が6月の初旬に亡くなられました。
前々から心の病を抱えておられ、今年度に入り休職していた矢先の出来事でした。

自身の不調を抱えながらも児童の変化に目を配り優しく寄り添ってくれる先生ということで、慕う児童も多かったそうです。
だからこそ、児童たちも先生の異変に気付いていたようで、「怒り方が怖くなった」「叱っているんじゃなくて感情が爆発してる感じ」という印象を持っていたようです。

学校側の対応は、噂で耳に入る前にきちんと説明しようということで、まず最初に児童に説明があったようです。
児童へと保護者に対する敬意が感じられ、信頼感がありますよね。
その後、保護者会が開かれ、事の経緯の説明と共に児童の心のケアについての話となりました。
そこまでは真っ当で必要十分な対応です。

しかし問題はここからです。
保護者会に出席していたカウンセラーは、児童への対応について保護者にある指示を出しました。
それは、「先生は病気で亡くなった、児童へはこう説明したので、これで統一してください。」という内容でした。

カウンセラーの皆さんは、この説明のどこに問題があるのかお分かりになりますか。
病気で亡くなられたことはある意味事実ではありますが、ここから子供たちが受け取るメッセージはこうなります。
→「都合の悪い事は隠して無かったことにすればいい」
 「心の病は隠さなければならないような事」
です。

子供は、当たり前ですが大人よりも人生経験が浅いです。
幼いながらも、自分の持つ知識や感性を総動員して、不可解な出来事も受け入れていこうと努力します。
大人が下心を持ち、子供の思考をコントロールしようとすることで、健全な心の発育を大きく妨げることになります。

この一大事に行政の委託を受け、保護者に説明をするという大役を任されておられるくらいですから、恐らく国家資格をお持ちの心理士の方ではないかと推察します。
立派な資格をお持ちでありながら、保護者会での説明が子供達の心のケアどころか悪影響を及ぼしかねないという事が分かっておられなかったのだろうか……と強い憤りを感じました。

たとえ行政側からの指示であったとしても、職業倫理と自分の良心に照らし合わせ、深く考えて判断すべきだったのではないでしょうか。
それができるだけの資質をもっているという認定が国家資格であるべきです。
これこそ、日本でカウンセリング文化が育たない大きなボトルネックであると感じます。

カウンセラーには、国が認めるものから民間のものまで多くの資格が存在します。
私は、その中で産業カウンセラーという資格を取得しました。
心理学の基礎を学び、クライエントさんが安心して相談できるという信頼の形が資格です。
どれを持っていなければならないというものではありませんが、どれを持っているから優れたカウンセラーという判断も出来ません。

前述したように、国家資格を取ったからといってできる簡単な仕事ではないのです。
資格を取得したもののカウンセリングの難しさをしみじみと実感されている方、感受性豊かな日本人こそカウンセリングを活用した建設的な生き方を身に付けることが重要であると痛感されている方は、ぜひご相談ください。
半年間のスキルアップセミナーで、『力のあるカウンセラー』になるお手伝いをします。

カウンセラーは資格だけでは出来ません2
カウンセラーは資格だけでは出来ません2
カウンセラーは資格だけでは出来ません3
カウンセラーは資格だけでは出来ません4

2023/06/12

女優 広末涼子さんも渦中にある『不倫』は必ずしもダメなものなのか?

超有名清純派女優の度重なる不倫スキャンダルが先週からメディアを賑わせています。

日々のご相談の中で恋愛についてお受けすることが多く、その中でも不倫問題は日常的にお聞きするため、私にとって『不倫』はとても身近なものという印象があります。芸能界では不倫の発覚が仕事に及ぼす影響が大きく、皆さん戦々恐々としているのではとお察しするところであります。

世間の不倫に対する見方は厳しく、『不倫、絶対ダメ』と薬物並みに敵視されているような空気がありますが、実際には、20~60代の男女の約半数が不倫や浮気を経験するというデータがあり、違和感を感じます。

「あれだけダメだって言われてるのに、なぜ?」
「自分のことは棚に上げて人を非難していいの?」
子供にそう質問されたら窮地に陥りますよね。

攻撃は最大の防御ですから、自分ができていない人ほど、他人を非難し攻撃したくなります。
ということは、不倫NOと強く言う人ほど、実は……とでっかいブーメランが自分に返ってくるかもしれないということが分かっておられないのでしょうか。

カウンセラーの皆さんは、クライエントさんが誰にも言えずに抱えていた苦悩を思い切って打ち明けて下さったときに、にべもなく『不倫、絶対NG』と突き返すのですか?

不倫は嗜癖行為の一つです。
自分の中の何か足りないものがあるという苦しさを、手っ取り早く埋められたという錯覚が得られる、とても便利な行為です。
性欲は食欲や睡眠と同じく本能であり、人類のほぼ全ての人がある程度の年齢になると経験するものなので、抵抗感も少ないのでしょう。
心身共に劇的な満足感が得られ、その一時的な満たされ感が自分の不全感を紛らわせてくれるので、真の問題から目を逸らすのにはもってこいですよね。

データの通り半数が経験者なのだとして、日本人の大人の半分は「自分は足りていない」と思いながら生きておられるのだとしたら……そちらの問題の方が大きいように私は感じます。

あれだけの美貌と演技力、いくつになっても変わらない透明感のある魅力をお持ちの女優さんですら、人には言えない苦悩や葛藤をお持ちだったのではと慮れたとしたら、メディアの対応も変わり、世間の見方ももっと違ったものになったかもしれませんよね。

不倫という行為は、結局、苦しみから生まれた吹き出物のような存在でしかありません。
吹き出物をなんとかしようと思ったら、出来てしまったところにちまちまと薬を塗って「二度と出来るな!」と説教しても意味がないことは明白です。
吹き出物の場合、必要なのは生活習慣を整え体質を改善させていくことです。
不倫をしたあなたはNot OK、ではなく、なぜ不倫という穴埋めを必要としていたのか、その苦しみに向き合う勇気をクライエントさんが持てるようサポートしていくのがカウンセラーの役目です。

カウンセラーから、失敗さえも受容し成長力を信じて支援してもらったという経験をすることで、クライエントさんは他者の失敗も受け入れるだけの寛容さを持つことができるようになっていきます。
この好循環が社会に広がっていくと良いですよね。

これが、カウンセラーの仕事だと私は思っています。

女優 広末涼子さんも渦中にある『不倫』は必ずしもダメなものなのか?2
女優 広末涼子さんも渦中にある『不倫』は必ずしもダメなものなのか?2
女優 広末涼子さんも渦中にある『不倫』は必ずしもダメなものなのか?3
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2023/06/05

カウンセラーだからこそできる効果的な少子化対策

現在の日本は、異次元の超高齢化社会であり、年々加速する少子化により、世界からもオワコン視されているのではと思えてしまうほど、未来への明るい展望が描きづらい社会状況となっています。

この現状を打破する唯一の方法が少子化対策です。
とにかく人口を増やして若い労働力が活躍できる社会にしていくことで、経済も回っていくようになります。
だからこそ、政府だけでなく各自治体も、少子化対策に力を入れてくれています。
先日も、自治体の回覧板に『困窮世帯への無料物資援助のお知らせ』があり、窮地におられる方々に的確に支援が届くようなシステム構築の必要性を感じたところでした。

政府や行政の対策は、経済的な面でのサポートが主になっています。
実際に、経済的な理由から結婚や出産を諦める方が多いからなのでしょう。
確かに、私も小学生2人を育てる親として、もっと余裕があればと悔しい思いをすることは多々あります。
我が家は大人が2人、子供が2人という構成ですので、人口の維持には貢献できているとは思うのですが、分母よりも分子が増えなければ人口は増加していきません。
周りには3人、4人兄弟というエネルギッシュな先輩ママ達も沢山おられ、この方たちこそ国の宝だと、いつも沢山の影響をいただいています。

かと言って、まだこれから更に子供をもうけたいかと問われると、そういう気持ちにはなれません。
政府や行政からの経済的支援があればどうかと考えたとしても、それでもやはり答えは同じです。
なぜなら、経済的なことだけが問題ではないからです。

臆病で強がりな私は、夫を頼ることなく1人で無理をし、子育てを頑張りすぎてきてしまったという自覚があるからです。
何かをきっかけに夫婦間の信頼関係に問題が生じた時、私は乗り越えられる自信がありません。
もう、手一杯なのです。
これ以上何かが増えたら全てが崩壊してしまいそうなくらいギリギリの気持ちで毎日を送っています。
もう1人子供を、という気持ちにはなれないのです。
だから、今いてくれる2人を守り抜く、という選択をしました。

ほんの少しだけでも、誰かに頼ったり甘えたりすることができていたら、分厚い鎧を身に付け常に臨戦態勢で子育てを頑張り過ぎなくても良かったのかもしれません。

お陰様で子供達は元気に逞しく育ってくれているので有難い限りなのですが、私のやり方は、間違いだったと感じています。
子供は家族だけでなく地域の大人たちも一緒になり、守り育てていくものです。
小さな島国で肩を寄せ合い助け合って生きてきた日本人の良さとは、知性と勤勉さ、そして協調性なのですから。
現役の子育て世代として、日本以上に安心して子供を育てられる国はないと実感しています。

人の行動というのは、外からの働きかけではなく、気持ちが動き、内側から意欲が湧き上がってこなければ行動には結びつきません。
我々カウンセラーは、クライエントさんの気持ちに温かく働きかけ、優しく背中を押して行動に繋げていくという力を持っています。

子育ては、どの国のどの時代であっても楽々とやれている人なんていません。
大変で楽しくて沢山苦労して葛藤するものなのです。
根本的な少子化対策とは、「大変だけど、それでもやっていきたい」という1人ひとりの意欲をサポートしてあげることであると私は考えます。
そしてそれこそ、我々カウンセラーの役割なのではないでしょうか。

今の自分のカウンセリング技術でそこまでのことができるだろうか、と不安をお持ちの方は、ぜひご相談ください。
半年間という短期間で集中的にスキルアップしていくためのオンラインセミナーを実施しています。

カウンセラーだからこそできる効果的な少子化対策2
カウンセラーだからこそできる効果的な少子化対策2
カウンセラーだからこそできる効果的な少子化対策3
カウンセラーだからこそできる効果的な少子化対策4

2023/05/30

立てこもり事件を他人事とする浅はかさ

各地で相次ぐ立てこもりや殺人事件。
心が休まる間もなく凄惨な事件の報道に触れる度に、胸が痛み、社会情勢の不安定さを実感せずにはいられません。

なぜこのような事件を起こすに至ったかの理由や原因、加害者の真意を報道のみから汲み取ることは不可能です。
にも拘らず、メディアでは多くの人が憶測でものを言い、それを見る側も勝手にレッテルを貼り、事件やそれに関わる人々のことを色眼鏡で見るようになります。
環境が悪い、親のせい、地方の田舎だから……
悪い出来事の原因を外的要因に無理やり見出し、自分がそれに当てはまらなければ「自分とは関係ないことだから大丈夫」とホッとする。
少しでも安心できる材料を探したくなる気持ちも分かりますが、その考え方はとても浅はかです。

立てこもり事件を起こす事は迷惑な事であり、殺人は悪い事、たとえ自殺をしたいと思っても実行に移してはいけません。

それら全てが正論ですが、人は時として「そうする以外に道が無い」と思い込んでしまう時もあるのです。

事件を起こすまではいかないまでも、もっと身近なところで、なりふり構わず人に迷惑をかけ、悪いと分かっていてもやってしまい、結果的に自分を傷つける行動を取ってしまう、そして自分を省みることなく家族や環境のせいにしてしまっていることは無いかと問われたら、誰もが日常的にやってしまっているのかもしれない、とは思いませんか。

酔っぱらって夜中に外で大声で騒いだり、ダメだと分かっていても不倫に溺れたり、ダメな自分に耐えられず暴飲暴食をしたり……。
程度の差があるだけで、同じような思考回路で無意識に行動してしまうことが誰しもに無意識に起こりうるのです。
つまり、どんな大事件でも、実は他人事ではないということです。
レッテルを貼って社会から追いやるという愚かな行為は、自分に返ってくるかもしれないという事を知っておかなければいけません。

だから、臭い物に蓋をして無かったことにするような問題から目を逸らすような考え方ではなく、失敗や間違いを受け入れられる寛容性を持たなければならないのです。

失敗して落ち込んでも、寂しくて卑屈になっても、ダメな自分も全部同じ自分です。
まだまだ日本人にはなじみの薄いカウンセリングですが、良い所も悪い所も丸ごとカウンセラーに受容してもらうという経験をしていくうちに、クライエントは自分で自分を丸ごと『良し』とできるようになり、その内に自然と他者のことも受け入れられるようになっていきます。

どのような時代でも、社会不安はどこかで必ず起こります。
何が起きようと情報に振り回されることなく、自分の頭で考え自立して生きていけるよう日本人1人ひとりが成長していかなければいけない時代です。
そんな時に人々の役に立てるのが、カウンセラーです。
人々の生活に必要な存在となれるよう、実力のあるカウンセラーにもっともっと活躍して欲しいと願っています。

立てこもり事件を他人事とする浅はかさ2
立てこもり事件を他人事とする浅はかさ2
立てこもり事件を他人事とする浅はかさ3
立てこもり事件を他人事とする浅はかさ4

2023/05/22

市川猿之助さんに関する報道でカウンセラーが考えるべきこと

毎週のように痛ましい事件が報道されていますが、
なぜ、問題がこれほど大きくなるまで対処できなかったのか、
誰かに助けを求めることはできなかったのだろうか、
と胸が痛くなるのと同時に、日本のカウンセリング文化の未熟さを痛感します。

有名人の自殺や一家心中といったニュースはセンセーショナルであり、人々の興味関心を惹きつけ、大きな影響を及ぼします。
原因や経緯、今後の展開についてなど、視聴者の関心のある内容を繰返し報道していく中で、
その度に締めくくりとして「一人で悩まずに相談を」と電話相談やカウンセリングを促すという形がよく見受けられます。

しかし、それだけでいいのでしょうか?

そもそもそこまで追い詰められることがないよう、もっと早い段階で専門家の助けをかりられていたら、もっと言うと、どんな自分でも胸を張って生きていけるよう自己肯定感を高めるような何らかのサポートを日頃から受けられていたら、今日のこの時間、猿之助さんは、もっと違う場所に居られた可能性だってあるのです。

問題の芽が小さい内ならば、対処の選択肢も増え、ハードルも下がり、解決できる可能性も大幅に高まります。
カウンセリングがもっともっと日本人の生活に浸透し、当たり前のように1人ひとりが成長して自立を目指していけるような健全な社会作りの一端を担っているのが、他ならぬ我々カウンセラーです。
性的趣向や職業などのカテゴリーで分類しレッテルを貼って色眼鏡で見るような社会から、日本文化全体が成長し、誰もが生きやすい成熟した社会を作っていくためには、まずは個々人の成長からであり、我々カウンセラーだからこそできることなのではないでしょうか。

何があったにせよ、猿之助さんにとっての本当の苦しみは、これからです。
ご両親の逝去のみならず、世間からの評判や社会的地位まで全てを失ったと絶望の淵におられる彼の気持ちを想像すると、言葉になりません。
それでも生きています。
二度と立ち上がれないと思ったとしても、生き続けなければならないのです。
この記事をお読みのカウンセラーさんは、そのようなクライエントさんをどのようにサポートしていきますか?
どんな場所でも、どんな生き方でもいい、再び顔を上げて前を向き、立ち上がって一歩を踏み出す、その背中をそっと押して差し上げられるだけのスキルを、カウンセラーは身に付けなければならないのです。

クライエントさんの成長力を信じられるカウンセラーになれるよう、“uEarth(ユアース)”が力強くサポートします。
短期集中型のオンラインセミナーのほか、横浜市港北区を中心に、医療機関や介護施設などでのコミュニケーション指導、講演依頼などにもお応えしています。
お問い合わせ、お申し込みは、メールまたはアプリよりお待ちしています。

市川猿之助さんに関する報道でカウンセラーが考えるべきこと2
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