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2023/08/30

被害者と加害者 カウンセラーはどっちの味方?

 夏休みで子供達と浮かれている間に、世間では色々なことが“事件”として取り沙汰されていたようで、今更ながら気になった話題について書かせていただきます。

 DJ SODAさんがフェスでワイセツ行為を受け告発、加害者がYouTubeで顔出し謝罪するという、これまでにない展開となっていますが、カウンセラーの皆さんはどのように捉えておられますか?
被害者、加害者、どちらからもカウンセリングを依頼される可能性がありますよね。
もちろんカウンセリング中はクライエントさんのために全力で向き合われると思うのですが、被害者側には「可哀想に」と同情し、加害者側には「あの状況では仕方ないよね」と理解を示すことが共感である、とは、まさか思っておられないですよね。
今、ドキッとした方、その動揺は正解です。
クライエントさんに合わせて日和見的に寄り添うことは本当の意味での共感ではありません。言わば“サービス共感”であり、そんなものはすぐに見抜かれ、ラポールは瞬く間に崩壊します。

 カウンセラーになるためには決まった資格があるわけではなく、国家資格から民間のものまで様々あり、どれを持っているから腕があると図れるものでもないのが現状です。どの養成講座でも『受容、共感、自己一致が重要である』と習うとは思うのですが、真の共感とはどういうものであるかを教えてくれるところはなかなかありません。なぜなら、読むだけで習得できるような簡単なものではないからです。それを実現させるためには、カウンセラーが自分自身の考えや価値観を明確に持っておかなければなりません。つまり、根底にカウンセラーの人間力が必要ということです。1人ひとりの人生に意味があり、それぞれのやり方で自分を磨いていくから価値がある、それが分かっている人は、自分の磨き方のHow toを教科書に求める必要なんてありませんから。

 今回のDJ SODAさんの件では、触った方が悪いのか、露出した方が悪いのか、鶏か卵かのような論争になっており、全体を俯瞰して見て、自分の主張を押し通そうと躍起になっている人々の稚拙さにガッカリしているというのが私の正直な感想です。以前にも書かせていただきましたが、全ての物事は一面だけで成り立っているわけではありません。表裏、前後ろ、右左、白も黒もあり、そしてその間には無数のグレーがあります。被害者の主張も加害者の主張も、それぞれに一理あり、そしてとても身勝手です。それら全てを踏まえた上で、さぁあなたなら、どのようにカウンセリングしますか?

 私個人としては「好きな格好をすればいい、但しそれによる影響も引き受けた上で」と考えています。フェスがどういう場所であり、飲酒が人にどのように作用するか、群集心理とはいかに、というのが理解できていないにもかかわらず人前でパフォーマンスをするという仕事をし「好きな格好して何が悪いの、触った方が100%悪い」という一方的な主張を押し通そうとするのだとしたら、自分の評価を下げてしまうだけなので勿体ないなぁと残念でなりません。某芸能事務所の未成年達がシュークリームを投げて遊んでいたのと、自覚の無さで言ったらレベルは同じです。

 我が家の小2の娘もお洒落が大好きです。
アイドルに憧れ可愛い格好を好むため、自由に好きな格好をして自分を表現して欲しいとは思いますが、彼女の思いとは裏腹に、その格好に影響を受ける大人たちが少なからず存在することも事実です。その背景には様々な原因や理由があり、『悪い事は悪い』と法律で正論をかざしても理屈が通らない時もあるのです。犯行時ともなれば精神状況も冷静ではないと推測され、事が起きてからどんなに文句を言ったって、時間は二度と戻らないのですから、無かったことにはできないのです。
「大事な娘の心身を傷つけるようなことは一切許さない、それがたとえ娘自身によるものであっても。自分を危険にさらすようなことはしてはならない。自分を自分で守れる人になりなさい。」
それを娘にきちんと伝えたいです。

 ファッションを楽しみ自己表現しながら、周りの人々とお互いに配慮し合いながら共生できる成熟した社会であって欲しいと思います。そのためにも、被害者、加害者、どちらのカウンセリングを担当することになっても、それぞれが己の未熟さを自省し、この経験を成長に繋げていけるようサポートできるカウンセラーが大勢活躍してくれることを願っています。

被害者と加害者 カウンセラーはどっちの味方?2
被害者と加害者 カウンセラーはどっちの味方?2
被害者と加害者 カウンセラーはどっちの味方?3
被害者と加害者 カウンセラーはどっちの味方?4

2023/08/22

「何でダメなの?」に納得のいく回答ができますか?

ジャニーズ事務所に所属するアイドルグループ「美 少年」のメンバーの1人が、5~6年前に賞味期限切れのシュークリームを壁に投げつけて遊んでいた動画が今になり流出。それに対し、事務所としては、謹慎という罰を与えることで反省を促すのではなく、受注した仕事を全うさせることで一社会人としての自覚が育まれていくよう見守るという判断を下しました。

流出した動画に対してだけでなく、この事務所の判断に対しても賛否両論が巻き起こり、ちょっとした騒動となっているようです。

この騒動に対する様々なコメントを拝見すると、「食べ物を粗末にするな」「対応が甘すぎる」などの高CPのものや、「流出させた犯人は?」「賞味期限と消費期限は違う」というCの中のA(小さな教授)から発せられたと思われるもの、「ビジュアルがいい」などのFC全開のものなど、ほんの一言のつぶやきにも、その方の心理状況や自我状態の傾向が垣間見られ興味深く感じたのと同時に、「一体何がダメなんだっけ?」という、私の中のCも刺激され素朴な疑問を抱きました。

幼い頃より刷り込まれてきた「食べ物を粗末にしてはいけない」という概念。

言われていることはよく理解できます。
しかし、食べ物を食用以外に利用する風習や文化は世界中に古くからあり、スペインのトマト祭りやイギリスのチーズ転がし祭りなどの他、日本のテレビ業界でも『パイ投げ』という伝統芸が脈々と受け継がれています。

普段はNGとされている食べ物をおもちゃにするという行為を実行すること自体に背徳感があり、皆と一緒にぐちゃぐちゃになりながら笑顔でストレスを発散することで、CPやらFCやら普段抑えているあらゆる欲求が満たされ、見ているだけでもちょっとスッとする感覚が味わえる、時代を超えた人気コンテンツです。
だからこそ、皆さんこの類の遊びがお好きなのですよね。

さて、ではなぜ、今回の動画はこんなにも炎上しているのでしょうか。一体何がダメなのか、子供から質問された時に明確に納得のいく答えが言える大人がどれだけいるでしょうか。

「パイは良いけど、シュークリームはダメなの?」
「お祭りとかテレビで皆でやるのはいいけど、1人でやってたから?」
「場所が外じゃなくて室内だったから?」
「大人は良いけど、まだ未成年だから?」
「壁に投げるんじゃなくて踏んで潰すのは良いの?」
「人に当てればいいの?」

これを読んでいるだけでもイラっとしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。

これがカウンセリングの中で起こった場合、カウンセラーの皆さんはどのように受け止めますか。

心理ゲーム『とっちめてやる』が始まったことを瞬時に察知し、1つひとつの質問に対し瞬発的にクライエントさんの人物像にマッチした応答ができなければ、あれよあれよとマウントを取られ、カウンセリング自体が成立しなくなってしまいます。

この記事を読みながら面白いと思われた方、全ての質問に明確に回答しようと思われた方、イラっとしてしまわれた方、ただただ困り果てシュークリーム投げは問題なしと言ってしまいたくなった方、などなど100人いれば100通りの感じ方があるかと思います。
たったこれだけのことでも、ご自身の自我状態とカウンセリング時のウィークポイントが見えてきます。
どれが良い悪いではなく、感じ方は人それぞれであり、自分の強み弱みを把握することで自分らしいカウンセリングができるようになります。

ニュース映像や記事を見る度、誰かと話をする度、日常のあらゆる瞬間に学びの機会がありますので、その都度、自分がどう感じ、考え、思うのか、自分自身に目を向けるよう心掛けることで、少しずつ自己理解を深めていってください。
それと同時に、他者との関わりの中で常に頭の片隅で密かに人物像を分析するという習慣付けをしていくことで、カウンセリング時の分析速度も精度も上がっていきます。

カウンセラーの仕事は、事象に対して何らかの判断を下すのではなく、理解することから始まります。
それは教科書を読めばできるようになるものではなく、日々意識しながらトレーニングしていかなければ身に付いていきません。

uEarthでは、カウンセラーとしての姿勢や意識の方面からも効率的にスキルアップしていけるようサポートしています。
ご自身のカウンセリングに自信が持てないカウンセラーの皆さんは、ぜひご相談ください。
1人ひとりの個性に合わせた方法でポイントを抑えた学びをご提供します。

「何でダメなの?」に納得のいく回答ができますか?2
「何でダメなの?」に納得のいく回答ができますか?2
「何でダメなの?」に納得のいく回答ができますか?3
「何でダメなの?」に納得のいく回答ができますか?4

2023/08/15

行動に繋がる援助の難しさ

ご相談くださるクライエントさんの中には、身近な方との関係にお悩みの方も多くいらっしゃいます。大人の方であれば、ご自身が持つ権限の範囲が広いため、ある程度フレキシブルなカウンセリングを展開していけるのですが、未成年の方の場合には、保護者の方との関係性に慎重に留意します。
誰にも相談できずにやっとの思いで相談に来てくださった10代の皆さんには、基本的には無料で通話相談ができる一般社団法人 日本10代ホットライン協会 Kokoro Caféで、お話を聴かせていただくようにしています。
カウンセリングというと、癒しや具体的な手法手段を提供してくれる便利な場所、というイメージをお持ちの方も多いようですが、実は違います。抱えている悩みを解決するのはクライエントさん自身であり、そのクライエントさん自身が精神的に成長し、ご自身の価値観に従い問題解決に取り組めるようサポートしていくのがカウンセリングです。要は、何かを貰う場所ではなく、自分で頑張って前に進んでいくために受けるものなのです。
この大きな誤解が蔓延しているため、依存的で他責な生き方をしておられる方は「何もしてくれない」「役に立たない」などと感じてしまわれる方も多いのです。特に、自己肯定感が低く恐れの強い方は、カウンセラーにマウントを仕掛け、最初から居丈高に振舞われる方も多いので、新米カウンセラーや大人しい性格のカウンセラーはあっという間に心理ゲームに巻き込まれていくため、カウンセリングどころではなくなってしまいます。
未成年者が内緒で相談にきていたことをご家族がお知りになり、「子供が勝手にやっていたことだから、カウンセリングなんて止めてください。」「何も知らない未成年者をだますな。」などと憤慨し実力行使でカウンセリングを終了させるといったことになると、スキルのおぼつかないカウンセラーとしては無力感と共に罪悪感に苛まれることになります。カウンセリング内で、未成年者に適した情報提供と共に、自分で行動していけるよう温かく力強い精神的なサポートを行っていくことの重要性を改めて痛感しますよね。
10代の未成年が1人でカウンセリングを受けるという行動に出たということは、それだけ思い詰めた状況にあるということです。とにかくそれだけ切羽詰まった事態であるということを、クライエントさん自身がまずは認識し、周りの大人に頼り助けを求めるというアクションを起こしていかなければいけません。ですが、最も身近な大人との信頼関係ができていないと、「話なんて聞いてもらえない。」「逆に叱られるのではと怖い。」「自分は必要とされていないんだ。」と自分の考えに自信を持つことはおろか、自分の存在価値さえ不確かなものに感じ、行動への意欲を持つことが困難になっていきます。『子供だから』と存在を尊重されていないと無意識に感じているお子さんは特にです。
そういった子供達が恐々ながらも行動を起こせるよう支えていくのは本当に難しく、スキルだけではなく、自分のカウンセリングマインドの真価に自分で対峙する瞬間でもあります。
お盆を過ぎれば、夏休み明けはもう目前です。
お子さんがいつもと違った行動を取っていたら、普段と変わりないけれど何だか違和感がある、と感じる保護者の皆様、お子さんの声なき声に耳を傾けてください。
そしてカウンセラーの皆さん、このタイミングで思いつめた10代のクライエントさんが相談に来られたとして「カウンセリングは時間がかかるものだから」と悠長なことが言えますか?その方の状況を的確に判断し、最適なサポートができているか常に自分に問いかけてください。
自信を持ってカウンセリングができないカウンセラーの皆さんは、ぜひご相談ください。1人ひとりに合わせたサポートでスキルアップをお手伝いします。力のあるカウンセラーが大勢活躍することで、1人でも多くのクライエントさんの精神的成長に貢献していけるよう尽力します。

行動に繋がる援助の難しさ2
行動に繋がる援助の難しさ2
行動に繋がる援助の難しさ3
行動に繋がる援助の難しさ4

2023/08/09

日本の悲しき育児事情に、具体的で有効な希望の光になる

気付けばもうお盆前。長い夏休みも折り返しを過ぎようとしています。
日本のお母さんは、世界でも稀に見る育児負担の大きさで有名ですが、毎年夏休みに入る頃に決まって取りざたされるのが『夏休み、母の負担増』という課題です。
確かに、一母として負担が増えている実感はあります。食事の用意や勉強の進捗確認、生活が乱れないようこまめに声掛けし、頻繁に遊びにも連れて行ってあげなければなりません。そして怪我や病気をさせないよう一瞬も気を抜くことなく危機管理しておかなくては、と、私も一般のお母さん方と同じように、無意識に強烈なドライバーに駆り立てられているのを感じます。
家でこうして書いている間も、子供達が入れ代わり立ち代わり傍に来て話しかけ、おもちゃや手紙を運んできてはぎゅーやチューをしてくれるので、嬉しいやら進まないやら……というところではありますwww
大好きな子供達がストロークを求めてきてくれているのに、それを『負担』と表現しなければならない日本の育児事情の悲しさたるや。仕事を持つお母さんが増えたにもかかわらず、未だにお父さんの育児参加も家事負担も進展しておらず、お母さんの負担がどーんと増えただけという惨状。そこに更なる追い打ちをかけるのが、祖父母世代の「子供達のことはやっぱりお母さんがやらなくちゃねぇ。」という“おじいちゃん・おばあちゃん”という優しい仮面を纏った強烈なイラショナルビリーフの押し付け。
戦後の横並び教育の中で、皆と同じようにできなければ、と周りからの評価を気にしながら生きる日本人にとって、子供の学校での評価は即ち母の評価であり、自分の思い通りにできない範囲があるからこそ、より強力に『コントロールせねば』というドライバーが掛かってしまうのでしょうね。つまり、その時点で母親は、子供ではなく自分自身の評価を気にしているということです。
本当はそんなことをしている場合ではないはずなのに……。
夏休み明けの9月と言えば、行き渋りや不登校が増える時期です。子供達と一緒に居られる夏休みにこそ、子供の様子をしっかり観察し、心身のサポートをするべき時なのに、それがまた負担増と感じてしまうお母さんも多いのだとしたら、とても寂しいことです。そして「お母さんにとって、子供は負担な存在なんだ」と感じながら育つ子供達が自己肯定感が高くなるとは考え難く、そんな子供達が未来の子供達に掛け値なしの愛情を注ぐ未来は想像しづらい、という何と恐ろしい悪循環でしょうか。
この悪循環を断ち、希望が持てる未来像へと変えていくために今できることとは何か、現実的な対策を考えた時に、お母さん1人ひとりの自己肯定感を上げ、周りからの評価や環境の変化に影響されることなく自分らしい子育てを楽しめるよう、お母さん自身がまずは成長していくことであると考えます。
だって、何十年かかってもこの有様なのですから、そうそうすぐに行政の制度や社会的な価値観が変わっていくとは考えられません。救いを外的要因に求めるのではなく、自分自身を変えていくことで、自分の価値観に従い、負担が無いよう取捨選択していけるようになっていけるので、その方が断然早いのです。
大概の人は、問題が起きてから慌てて考え始めます。ですが、その問題が子供の引き籠りの末の自殺という取り返しのつかない事態だったとしたら、もう考えても遅いのです。
ですが、これから起こりうる問題を予測し、クライエントさんが自分自身の問題に取り組むことで未来を変えていけるようサポートできるのがカウンセリングです。相談業務に従事するカウンセラーの皆さん、それができるだけの自信と覚悟が持てていますか。
確かなカウンセリングスキルを身に付け「私はカウンセラーです」と自信を持って名乗れる覚悟を持ったカウンセラーが増えることが、日本社会の明るく希望に満ちた未来には不可欠である、と私は思っています。
自分のカウンセリングに不安がある、自信を持ってクライエントさんと向き合えないというカウンセラーの皆さんは、ぜひご相談ください。無駄のないカリキュラムでスピーディーにスキルアップしていけるようお手伝いします。

日本の悲しき育児事情に、具体的で有効な希望の光になる2
日本の悲しき育児事情に、具体的で有効な希望の光になる2
日本の悲しき育児事情に、具体的で有効な希望の光になる3
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2023/08/01

自民党女性局フランス研修時のSNS投稿問題で沸く日本人の悲哀

自民党女性局フランス研修時のSNS投稿が物議をかもしています。
ワイドショーでは批判の的となり、当人及び関係各所は火消しに追われていらっしゃるようです

主に、お金の流れや議員としての姿勢に批判が集まっており、それに対して長文で釈明するという、非建設的なやりとりを重ね、国民全体で時間を構造化しているという状況です。
それ自体がある意味、政治ショー、あるいはエンタメと言ってしまえばそうなのかもしれませんが、その程度のことに時間と労力を費やし、それぞれに自分が取り組むべき問題から逃げているから、日本の将来を憂えざるを得なくなってしまうのですよね。

そもそも、彼らはなぜ、仕事の出張にも関わらず道中のゆるい画像をSNSに上げてしまったのでしょうか。
いくら出張とは言え、24時間仕事だけをしているわけではありません。
食事や排泄、睡眠、帯同者とのコミュニケーション時間など、人間としての生活時間は、普段の生活と変わりなく存在し、遠方であれば尚更、そこに移動時間や疲労の蓄積を解消する為の休憩時間も必要となります。
だって、人間なのだから。
100歩譲って、そこは理解してもいいですよね。
精度の高い仕事をする為には、それ以外の時間でいかにエネルギー消費を抑えメリハリを付けられるかが重要なのですから。

ただ、議員という身分に就きながらも、公私の区別ができず、メリ・ハリのメリの部分を安易にSNSに投稿してしまうというところに切なさを感じるのは私だけでしょうか。
そんなにもこの人たちは満たされていないのか……と。

SNSへのプライベート投稿の目的は、承認欲求を満たす為です。
マズローの5段階説でいうと、下から4段目の階層に居ることになります。
三角形のだいぶ上の方にはありますが、この承認欲求の中にもレベルがあり、名声や他者からの注目を求める「低いレベルの尊重欲求」と、周りからの評価よりも自身の人間性の充実を追求する「高いレベルの尊重欲求」とに別れ、SNSのプライベート投稿は前者を満たす為のツールというわけです。

人は、承認欲求が満たされていないと劣等感や無力感に苛まれ、場合によっては自暴自棄になり、周囲の人々との間に軋轢が生ることで孤独に陥っていきます。
だから満たされていない人は、溺れないよう必死で何かを掴もうとするように、承認を求めるのです。

自分の周りにいる人々と信頼関係が築けており、その方々から承認されているという実感が持てている人は、芸能人などの仕事以外での不要なプライベート投稿は基本的にはしません。その必要も時間もないからです。
自分の周りの人たちからさえ承認されていないという渇望感や飢餓感があるから、とにかく誰でも良いから不特定多数の人からの承認を求めてしまうのです。
しかし実際には、どんなに沢山の「いいね」を貰っても、一時的な高揚感はあるかもしれませんが、心から満たされることはありません。
なぜなら、大切な人からの承認という本当に欲しいものが獲得できていないからです。

そう考えると、自民党女性局の皆さんの投稿は、なんだか見てはいけないものを見てしまったような「なんか、ごめん……」という気持ちになりませんかwww
そんな彼らに免じて、そっとしておいてあげて欲しいと言いますか、他者を批判することで時間を構造化するよりも、自分の周りにいる人々との関係を大切に育むことに力を注いだ方が、承認欲求を満たすには手っ取り早いのですが、これだけSNSが氾濫し、彼らの話題がネットニュースやワイドショーで持ちきりになるということは、日本人のほとんどがそれを理解できていないからですよね。
その民度の低さに、1カウンセラーとして、非常に無力感を感じます。

承認欲求を求めてのSNS投稿は、そもそもネガティブな感情を発端とする行動なので、その先に広がる世界にはネガティブが渦巻いており、ほんの些細なことをきっかけにその渦に飲まれてしまう危険性を孕むものであるということは、家でも学校でも会社でも教えてはくれません。
では、誰がそれを伝える役割を担っているのか。
それがカウンセラーであると私は考えます。

社会の仕組みを理解し、それぞれのクライエントさんに合わせた繊細なサポートができる力のあるカウンセラーが増えることで、日本人にとってカウンセリングがより身近なものとなり、国民全体の民度の向上に繋がっていくことを切に願います。

自民党女性局フランス研修時のSNS投稿問題で沸く日本人の悲哀2
自民党女性局フランス研修時のSNS投稿問題で沸く日本人の悲哀2
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